母乳にも含まれている栄養素「α-GPC」てなに?
- 成長ホルモン分泌促進
- 認知症改善
- 老化抑制
- 身体パフォーマンス向上
などに効果が期待できるって本当?
近年、その効果で注目を浴びている「α-GPC(アルファグリセロホスホコリン)」について解説していきます。
目次
「α-GPC」とはどんな栄養素?
α-GPCは、大豆レシチン(大豆に含まれるリン脂質)を加水分解することで抽出される成分。
α-GPC(アルファグリセロホスホコリン)は、コリン(記憶や認知機能に関わる成分)を効率的に補給できるとして話題の成分です。
L-α-グリセリルホスホリルコリン(アルファGPC、英: L-alpha-Glycerylphosphorylcholine, α-GPC)とは、天然に存在するコリン誘導体の一種で、脳や乳に含まれる。副交感神経に作用するアセチルコリンの前駆体であり[2]、アルツハイマー型認知症を治療するための脳機能改善薬として可能性があるとされる。
また、少ない量のα-GPCで十分なコリンを補給でき、ほかの補給剤と比較すると1/4程度の量で済むとされています。
日本では2009年の法改正により、α-GPCの含まれるサプリメントなどの商品が流通し始めました。
認知機能改善や精力改善などに期待できると国内でも注目されています。
研究が進んでいるアメリカにおいてはコリン補給剤としてすでに認知されており、メジャーな食品成分です。
α-GPCの期待される効果
α-GPCを補給することで期待されている効果は以下の3つです。
- 脳機能の改善
- 成長ホルモンの分泌促進
- 身体パフォーマンスの向上
- 老化抑制
それでは、各詳細を確認していきましょう。
脳機能の改善
α-GPCは記憶や認知など脳機能の改善に効果があると期待されています。
脳卒中やアルツハイマー型認知症における認知障害への α-GPC の効用が研究されている。イタリアでは 2,044 人の脳卒中患者に対する多施設臨床試験で、患者に 1,000 mg/day の量の α-GPC を 28日間、続いて 400 mg/day の量を 5ヶ月間与えた。その試験から、α-GPC が認知能力を回復させることが4種類の尺度で見られ、そのうち3種類の尺度では統計的に有意なところまで達したと報告された[4]。
1391人を対象に行われたアメリカの研究ではコリンの摂取量が多い人ほど、言語・視覚記憶が優れていたという研究結果があります。
コリンの少ない人ほど認知機能が低下しているという研究報告もあるため、α-GPCによる効率的なコリンの補給が注目されているようです。
成長ホルモンの分泌促進
α-GPCを体内に補給することで、成長ホルモンの分泌が促進されるという研究結果があります。
平均年齢25歳の健康な男性8名を対象にした二重盲検無作為化クロスオーバー試験において、α-GPCを1,000 mg摂取したところ、血液中の成長ホルモンや遊離脂肪酸の濃度と肝脂肪酸化(分解)の指標が有意に増加した(Nutrition 28 (2012) 1122–1126)。
成長ホルモンは加齢とともに分泌量が減少されると言われています。
しかし、25歳の健康な男性数名にα-GPCを摂取してもらった試験では、成長ホルモンの増加が認められました。
身体パフォーマンスの向上
身体パフォーマンスの向上にも期待できるとして、α-GPCはスポーツシーンでの活躍も注目されています。
男子大学生を対象にα-GPC(600mg/日)を6日間摂取してもらい、上半身と下半身の筋力を調査したプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験において、α-GPCの摂取によって下腿の筋力を評価するテスト(IMTP)のパフォーマンスのピーク時間に有意な結果が得られた(J Int Soc Sports Nutr. 2015 Nov 17;12:42.)。
20代男性を対象にα-GPCを摂取する試験では、膝から足首までの能力を評価するテストでパフォーマンスの向上が見られたそうです。
老化抑制
α-GPCは老化抑制にも期待できると注目されています。
老化促進マウスを用いてα-GPCの健康効果について調べたところ、コントロール群と比較してα-GPC摂取群のマウスでは老化評価スコアが有意に低く、神経炎症や関節変性の減少もみられた(Biosci Biotechnol Biochem. 2018 Apr;82(4):647-653.)。
α-GPCの安全性
α-GPCは人の体内にも存在する成分で、卵黄に含まれる「レシチン」やレバーに含まれる「コリン塩」と同様のコリン前駆体となります。
レシチンを多く含む食品は卵黄です。卵の栄養価はアミノ酸バランスが優れているだけではなく、神経伝達物質の原料となるフォスファチジルコリンの含有量がとても多い食品です。
赤ちゃんの飲む母乳にも含まれており、人の体に必要な成分の一つとなっています。
普段食べている食べ物(バナナ・チーズ・ヨーグルト)にも含まれているため、安全な食品成分と言えるでしょう。
また、α-GPCに含まれる「コリン」は必須アミノ酸の一つで体内で必要量を産生できないので、健康維持をするには食事かサプリメントでの摂取が必要となります。
α-GPCを補給する方法
α-GPCを補給する方法は主に2つです。
- 食べ物の栄養から補給する
- サプリメントで効率的に補給する
以下の食べ物にはα-GPCが含まれているので日常的に補給できます。
食べ物からα-GPCを補給する
α-GPC 各食品含有量一覧 |
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牛乳 | 含有量:9.98 | |
チーズ | 含有量:8.48 | |
バナナ | 含有量:5.6 | |
ヨーグルト | 含有量:9.1 | |
牛レバー | 含有量:77.93 |
牛レバーは特に含有量が多いですが、毎日の食事で食べるのは難しいかもしれません。
日常的に補給するのであれば、飲みやすく食べやすい乳製品をおすすめします。
サプリメントで補給
α-GPCを含むサプリメントは国内でも販売されており、人の体に必要な量のα-GPCを効率的に補給できます。
毎日の食事から補給するのが難しい人にサプリでの摂取はおすすめです。
国内生産されているサプリメントもあるので、日本人でも安心して飲みやすくなっています。
適切な摂取量
α-GPCには年齢別の適切な摂取量(1日あたり)が決まっています。
α-GPC 年代別推進摂取量 ADI/AI/(mg/日) |
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年齢:0~1歳 |
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年齢:1〜8歳 |
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年齢:9〜13歳 |
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年齢:14歳以上 |
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参照:エイチ・ホルスタイン株式会社アルファGPC(α-GPC, グリセロホスホコリン)
どの栄養素にも言えることですが、過剰摂取は控えましょう。
栄養バランスを考えて、不足したα-GPCの補給がおすすめです。
まとめ
α-GPCは健康管理の面で活躍が期待されている成分です。
成長ホルモンの促進作用で子どもの成長をサポート、大人の方には認知症の改善も期待できます。
α-GPCはこんな方におすすめです。
- 性欲・活力増進したい方
- 子どものいるファミリー層
- 日々スポーツをして体を鍛えている方
- 認知症に備えたい方
Amazonや楽天などでサプリメントも販売されているので、誰でも気軽にα-GPCを購入できます。