男性にとってはかなり身近な現象である「勃起」。
勃起は性交渉の際、女性の膣にペニスを挿入するために必須となることから、性的興奮がトリガーとなることで発生します。
しかし、勃起力は加齢とともに落ちてしまいます。
男性としてはいつまでも元気に勃起したいもの。
できるなら低下した勃起力を改善したいと思う男性は多いです。
今回は、勃起力を改善するのに効果が期待できる食事や栄養素を解説していきます。
目次
そもそも、勃起力はなぜ低下する?
なぜ勃起力が低下するのかという問いを考える上で、まずは勃起のメカニズムからおさらいします。
また、勃起力が低下してしまう原因についても同時に知っておく必要があります。
勃起のメカニズムを把握した上で、勃起力低下の原因について解説します。
勃起のメカニズム
健全な男性であれば、日常的に勃起してしまうという人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、勃起がどういったメカニズムで起きるのかについて、調べてみたことがある人はあまり多くはありません。
勃起とは、一般的にはペニスの勃起を指し、陰茎が硬くなって「勃つ」現象のことを言います。
基本的に勃起は、性的な興奮をトリガーとして発生します。
ここまでは広く知られている通りです。
男性に性的な興奮が起こると、神経系から特殊な信号が、陰茎海綿体に対して送られます。
この信号によって体内の血液が陰茎海綿体に多量に流れ込み、海綿体の内部が血液で満たされ、それにともなってペニスが膨張し硬くなっていきます。
勃起が起こることで、女性の膣内(マンコ)にペニスを入れられるようになるのです。
性的興奮によらずとも、突発的に勃起をしてしまったという場合も心当たりがあるでしょう。
実は「朝勃ち」も含めてこの突発的な勃起に関しては、まだ正確な原因はわかっていません。
また病的原因で本人の意思によらずして、勃起することもあります。
勃起力低下(勃起障害)の原因
それでは反対に勃起力が低下してしまう、あるいはまったく勃たなくなってしまう原因には、どういったものがあるのでしょうか。
勃起しなくなってしまう「勃起障害」は英語でErectile Dysfunctionといい、通称は「ED」といいます。
この通称はよく聞くところではないでしょうか。
勃起障害を起こしてしまう主要な原因としては、加齢や高血圧、糖尿病、高脂血症、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群、喫煙などが挙げられます。
そうした生活習慣病や生活習慣病を引き起こす要因の他、うつ病、神経疾患などの精神的なストレスなども挙げられます。
男性ホルモンは加齢によって自然的に減少していきます。
しかし、生活習慣病に関しては、決して年齢に関係しているものではなく、近年は若年層でも生活習慣病を引き起こしているケースがよく見られます。
勃起障害の要因の大半が生活習慣病であることから、勃起力改善のためには食生活を見直す必要があることがわかるでしょう。
若いからといって油断せず、早め早めに意識して、勃起力改善に役立つ食事を意識して摂っていきましょう。
勃起力改善が期待できる栄養素
前述の通り勃起障害の原因にはさまざまな要素が含まれていて、複数の要因が絡み合い勃起障害が発生します。
それと同じように勃起力向上に関しても、多様な要素が絡み合って改善されていくものです。
ここでは勃起力改善への効果が期待できる複数の栄養素を紹介しつつ、どういった仕組みで勃起力改善に繋がるかも併せて解説していきます。
亜鉛
亜鉛は「生殖ミネラル」という別名があることで、こうした性ホルモン関連の話題ではよく取り上げられます。
亜鉛は男性ホルモンの中でも、性欲や精力改善に大きな効果が期待できる「テストステロン」増加に欠かせない栄養素です。
亜鉛を摂取することでテストステロンが増加し性欲が向上、結果として勃起力が改善されることが期待されます。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
アルギニン
アルギニンはアミノ酸の一種であり、男性ホルモンの中でも性欲増進に効果が期待される「テストステロン」や、性的発育に関わる「成長ホルモン」を作るために欠かせない栄養素です。
アミノ酸は体内でタンパク質として合成されますので、酵素やホルモン分泌などにも大きく関係します。
アルギニンはうなぎやニンニクなど、精力改善でよく知られる食べ物に含まれています。
アルギニンについて詳しくは以下の記事をご参照ください。
シトルリン
シトルリンもアミノ酸の一種で、スイカの種などに多く含まれている栄養素です。
シトルリンは、血液内の一酸化炭素の排出量を増やす効果が期待できるといわれています。
その作用によって血管の拡張を招き、結果として血行改善につながります。
勃起は先ほども説明した通り、血液量が大きく関係する現象なので、血液循環がよくなることで勃起力の改善が期待できる、とこういうロジックが成立するのです。
シトルリンについて、詳しくは以下の記事をご参照ください。
アリシン
アリシンはニンニクに由来する化合物ですが、自生しているニンニク自体には含まれていません。
ニンニクを切るなどで組織が破壊されると、ニンニク内の酵素の働きによってアリシンが合成されます。
アリシンは、ニンニクのにおいの元になる物質としても知られています。
強い抗菌・抗カビ作用に加えて、動脈硬化に対抗する働きや、脂肪を縮小させる作用、抗酸化作用もあるのです。
これらの作用から、生活習慣病の改善に効果が期待できます。
抗酸化作用によって副腎で作られるテストステロンの材料が酸化することを防ぎ、その結果としてテストステロンの増強につながり、やがて勃起力改善につながることが期待できるという仕組みです。
勃起力改善につながる食べ物
ここまではどのような栄養素を摂取すると、どのように勃起力改善につながるかをひとつひとつ丁寧に追ってきました。
それではここからは本筋である、勃起力改善につながる食べ物をご紹介しましょう。
特別な食材はなく、できる限り手に入れやすい食材から紹介するのでご安心ください。
肉類
テストステロン増強につながる栄養素として、先ほどはいくつかアミノ酸の例を挙げてきました。
このアミノ酸の中でも大切な働きをしてくれる「必須アミノ酸」を摂取するうえで、肉類に含まれる動物性タンパク質の摂取が望ましいといえます。
タンパク質には大豆などに含まれる植物性と、豚や牛などの肉に含まれる動物性がありますが、植物性タンパク質には必須アミノ酸であるリジンがほとんど含まれていません。
その一方で動物性タンパク質にはリジンが多く含まれていますので、タンパク質を摂取するなら、植物性よりも動物性を重視すべきです。
牡蠣
牡蠣は、亜鉛が特に多く含まれている食べ物として代表的なものです。
亜鉛は通称「生殖ミネラル」といわれるほど性ホルモンと関係が深いです。
テストステロン増強の結果としての性欲促進、やがて勃起力改善へのプロセスを期待できる栄養素です。
亜鉛は牡蠣のほかに、うなぎにも含まれています。
ナッツ類
ナッツ類には、アルギニンが多く含まれています。
アルギニンは性ホルモン分泌に大きな影響を与えるといわれている栄養素です。
アルギニンも、うなぎやニンニクなどの強壮作用が期待できる食べ物に多く含まれています。
スイカ
シトルリンはスイカの種に多く含まれていますが、スイカの皮にも多く含まれています。
スイカだけでなくウリ科の植物(きゅうりなど)であれば皮にも多く含まれていますので、キュウリなどは皮ごと食べるとよいでしょう。
シトルリンは運動によって生まれる疲労物質であるアンモニアを分解し、排泄する働きもあるとされています。
にんにく
ニンニクはアリシンを生成する酵素をもっています。
切り刻んで調理することでアリシンが合成され、生活習慣病の予防や改善につながるでしょう。
また抗酸化作用によってテストステロンを増強させ、勃起力改善につながることが期待されます。
ネギ類
アリシンはニンニクだけでなく、タマネギや青ネギなどネギ類全般に多く含まれています。
そのため玉ねぎも勃起力改善に大いに役立つとして、広く紹介されているのです。
玉ねぎを切り刻み「玉ねぎ氷」を作り、飲み物などと一緒にアリシンを摂取するという摂取法も存在します。
忙しい場合はサプリでの摂取がおすすめ
勃起力改善を目指すうえで、上記に当てはまる食べ物を積極的に摂取することは大切といえるでしょう。
しかしそのすべてを意識して、バランスよく摂取するというのは現代人にはなかなか大変ではないでしょうか。
そうした場合、亜鉛やアルギニンなどの栄養素が含まれているサプリメントを摂取することも大切です。
サプリメントには勃起力改善に特化したものもありますが、中には勃起力改善を謳っておいて効果がまったくないものも残念ながら存在します。
サプリメントを購入する際は、栄養素をきちんとチェックし、必要な栄養素が配合されているかをしっかりと確認するようにしましょう。
まとめ
今回は勃起力改善につながる食事について、勃起力の向上や減退にはどういった原因と対処法があるのか、勃起力改善につながる食べものなどを網羅的に解説しました。
勃起力をなんとか改善したいという方は、まずはしっかり病院にかかって、勃起力不調の原因を突き止めることが肝心です。
勃起力を改善していく目的で栄養素を摂取するよりも、勃起障害の原因を取り除くための食生活や生活習慣の改善に努めていくことが、より的確な勃起改善効果の期待を高めてくれるといえるでしょう。
年齢を問わず、勃起障害はいつでも起こりえます。
原因を知り仕組みを知ることで、的確な予防・改善に努めていきましょう。